中国駐在員事務所の設立
駐在員事務所のことを略して、「事務所」と呼んでいる事が多いようですが、中国では正式には「外国企業常駐代表機構」といいます。
また駐在員事務所長の中国での正式名称は「首席代表」となります。
駐在員事務所は現地での営業権を待たず、日本本社の一部として連絡業務、情報収集を行わないため、企業所得税の課税対象外となります。しかし、営業活動に該当する業務内容については当然課税対象となってきます。
現地法人、会社は中国の法律では「三資企業」と呼ばれ、「合併企業」、「合作企業」、「独資企業」の三つに分類されます。
合併企業は、外国の企業、経済組織、個人と中国に設立した共同経営企業のことで、出資割合は中国の重点育成産業や規制分野では上限を定められている場合もあります(自動車、小売卸売業、では49%以下、一部の小売卸業では65%以下の場合もあります)。
合作企業は、責任、権利、義務、投資の構成、利益配分、経営管理などについて、双方で話合い、あらかじめ契約で決めておきます。全て契約進める点が合併企業とは異なり、通常外国側は契約期間内に投資元金を回収するように事業を計画するため、損益の予想の立てやすいホテルなどのサービス業に多く見られます。
独資企業は、外国側の経営指導権が発揮できる反面、中国内に製品販売や事業拡大をする場合、開拓が難しい面があります。近年では、規制緩和と法制度の整備により現地企業でなくても優位性が保てるため、合併企業を設立するよりも独資企業が増えています。
駐在員事務所にかかる税金について
■ 税金の種類
駐在員事務所で課税される主な税金は、1.首席代表や職員の個人所得税と2.駐在員事務所が営業活動、又は営業活動とみなされる活動を行っていた場合に課税される企業所得税と営業税です。
■ 個人所得税
首席代表や職員に支払う給料に対しては、日本の給与所得と同じように給与所得者課税があります。日本の年末調整のような制度はなく、毎月の給与所得で課税関係が完結します。税額計算は、(額面給与―基礎控除額)X 適用税率―速算控除額 で基礎控除額は上海在住の中国人は1,000元、外国人は4,000元を一律控除します。税率は、日本と同じく累進税率で5%から45%の税率が適用されます。
企業所得税と営業税
企業の営業活動によって所得が発生すると、日本の法人税の同じで企業所得に対し企業所得税が課税されます。また営業収入に対しては、営業税が課税されます。
1. 企業所得税、営業税の税率
企業所得税の税率は、国税30%、地方税3%の合計33%。営業税の適用税率は5%です。
2. 企業所得の計算方法:
1) 実質所得課税方式
実際の収入 ― 実際の経費 = 課税企業所得
課税企業所得 X 33% = 企業所得税
実際の収入 X 5% = 営業税
・実際の収入を計算する時には契約金額の50%は本社収入とします。
2)推定利益課税方式
売買契約書や買い付き規約書は提出できるが実質経費計算の証憑等が提出できない
代理貿易業務の場合は
売買契約額 X 推定コミッション率(3%)X 50%(日本本社との配分率)= 推定収入
・ 推定収入 X 10% = 課税企業所得税
・ 課税企業所得 X 33% = 企業所得税
・ 推定収入 X 5% = 営業税で計算するか
・ 売買差額 X 50%(日本本社との配分率) = 推定収入として上記と同じ計算で企業所得税および営業税を計算します。
3)経費課税方式
実質課税方式、推定利益課税方式以外に、駐在員事務所の経費総額から推定収入を算定し企業所得税、営業税を計算します。
総費総額 ÷ 85%(1-推定利益10%-営業税5%)=推定収入
・ 推定収入 X 10%=課税企業所得
・ 課税企業所得 X 33%=企業所得税
・ 推定収入 X 5%=営業税
実務的には3)の経費課税方式を採用している例が多いようです。









